NHK朝ドラ、牧野富太郎(植物学博士)の植物図鑑
植物学博士で日本の植物学の父ともいわれる牧野富太郎(1862-1957)とその妻、寿衛子をモデルにしたドラマ『らんまん』が4月から始まります。植物関係者にはよく知られた人物、国立科学博物館などの企画展などで紹介されることもありましたが、一般にはあまり知られていませんでした。そんな牧野富太郎と共に植物学に注目が集まり、今年は植物に関するトピックスがちょっとしたブームになるかも?!なんてちょっぴり期待しています。
牧野富太郎博士は、幕末、1862年(文久2)に高知県高岡郡佐川村(現佐川町)の酒造業を営む裕福な商家に長男として生まれました。何不自由なく暮らしていましたが、幼い頃に両親と祖父を相次いで亡くし、祖母に育てられました。ひとり草木と遊ぶのが好きな子供でした。早春には、裏山の金峰神社の辺り一面に「バイカオウレン」の花が咲いていたそうです。「バイカオウレン」は、最も好きな花だったようです。幼い頃から植物に興味を持ち、独学で植物の知識を身につけました。2度目の上京のとき、東京大学理学部植物学教室への出入りを許され、植物分類学の研究に打ち込みました。自ら創刊に携わった『植物学雑誌』に、新種「ヤマトグサ」を発表して、日本人として国内で初めて新種に学名をつけました。
94年間の生涯において収集した標本は約40万枚、約4万5千冊の蔵書を持っていたそうです。約1500種類以上の植物を命名し、日本植物分類学の基礎を築いた一人として知られています。現在でも研究者や愛好家の必携の書とされている『牧野日本植物図鑑』を刊行しました。全国からの要望に応じて各地を巡り、植物を知ることの大切さを一般に広く伝え、植物知識の普及に貢献しました。