フランキンセンスの木
クリスマスらしい精油と言えば「フランキンセンス(乳香)」ではないでしょうか。乳香、オリバナムとも呼ばれています。フランキンセンスは、イエス・キリストの誕生の際に、東方の使者が、黄金、ミルラ(没薬)とともに捧げた貢ぎ物の一つとされています。古代から宗教儀式や瞑想に用いられ、黄金にも値する貴重なものでした。
樹皮に傷をつけると樹脂が分泌されて、空気に触れて固化します。1~2週間で乳白色の涙滴状の塊になります。「乳香」の名は、木から樹脂が滴る様子がミルクに似ているから… とも、水に入れると水が乳白色に濁るから…とも、言われています。
こちらの写真は、内藤記念くすり博物館付属薬用植物園の温室の樹木を撮影(2022年9月)したものです。日本では、温室栽培してもあまり大きく育たないようです。原生地のフランキンセンスの木には、及びませんが、国内では かなり立派なものです。
樹木を傷つけた訳ではないのですが、枝の節目に樹液が滲み出ていました。見落としてしまいそうなくらい小さな樹液が輝いていました。ズームレンズで撮影したものです。
フランキンセンスは、深い呼吸を促し、リラックスさせて心に平穏をもたらす香りです。ストレスがある時、緊張している時、孤独や寂しさを感じる時、不安や怒りを鎮めたい時、落ち着きを取り戻す助けとなるのではないでしょうか。
フランキンセンス(乳香・オリバナム)
◼️学名:Boswellia carterii
◼️科名:カンラン科
◼️蒸留部位:樹脂
◼️主な産地:ソマリア、スペイン
オマーン、エチオピア
◼️主な成分:α-ピネン、リモネン、
β-カリオフィレン、β-ミルセン
α-ツジョン、サビネンなど