湿布の匂いがする植物 その1:ウィンターグリーン
アロマテラピーで使われる芳香植物、精油の香りは、“心地よい”、“癒される、“優しい”というイメージ、印象をお持ちの方が多いかもしれませんが、なかには「サロンパス」や「サロメチール」のような個性的な香りを放つ植物もあります。
その一つが、この「ウィンターグリーン」という植物です。葉っぱや赤い実など どこを揉んでも湿布薬の匂いがします。香りのもととなっている成分は「サリチル酸メチル」です。ウィンターグリーンの精油の成分分析表を確認すると95~99% 含まれています。ウィンターグリーンは、ほぼこの芳香成分から成り立っているといえるのです。植物図鑑でも、サリチル酸の香りが、葉、根、実などからする…と紹介されています。痛みの緩和に使えるハーブです。
ウィンターグリーン=Winter Green(冬緑樹)と言う名称(英名)ですが、植物観察してみると、冬は紅葉していて朱色がかっています。 おそらく、紅葉しても葉が落ちずに寒い冬でも常緑という意味なんでしょうね。春夏秋冬の葉と花、そして赤い実の季節(10月)に撮影したものがありますので、一斉に並べてご紹介します。つやつやと緑が美しいのは秋です。可愛い赤色の実と緑色がよく映えていますね。
ちなみに、サリチル酸メチルは、解熱鎮痛剤として用いられるアセチルサリチル酸と似たような物質で、抗炎症、鎮痛、筋肉弛緩などの作用があるとされています。したがってアスピリンアレルギーを持っている方は使用しない方がよいとされています。ご注意くださいね。
この植物はツツジ科ですが、カバノキ科ミズメサクラ(水目桜)も同じ成分(サリチル酸メチル)を95%以上含んでいます。植物学的には欠け離れているのに、同じ成分を出すなんて、植物って面白いですよね。次回はこの「ミズメサクラ」についてご紹介します。楽しみにしていてくださいね。
学名:Gaultheria procumbens
和名:オオミコウジ、ヒメコウジ(姫柑子)、ゴールテリア
科名 / 属名:ツツジ科 / シラタマノキ属(ゴールテリア属)